大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和40(あ)1297 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松岡一章、同黒田充洽連名の上告趣意第一点は、憲法三八条三項違反をい

うが、第一審判決は被告人の所論供述のほか証人Aの供述その他同判決挙示の証拠

を綜合して同判決判示第一の事実を認定したものであり、原判決が第一審判決判示

第一の事実について、被告人の法廷外の自白に対し証人Aの証言が補強証拠となり

得るとした判断はこれを是認し得るし、また判例違反をいう点もあるが、引用の判

例は本件と事案を異にして適切でないから、所論はいずれもその前提を欠き、適法

な上告理由とならない。

同第二点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当ら

ない。 弁護人遊田多聞の上告趣意第一点中違憲をいう部分および弁護人高橋禎一

の上告趣意第一点は、被告人およびBの捜査官に対する供述調書に任意性がないこ

とを前提として、違憲、違法をいうが、記録に徴するも所論各供述調書に任意性を

疑うべき点は見出されないとした原審の判断はこれを是認し得るから、所論はその

前提を欠き、弁護人遊田多聞のその余の所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張

であつて、いずれも適法な上告理由とならない。

弁護人遊田多聞の上告趣意第二点は、公職選挙法一二九条、二三九条の各規定は、

憲法三一条に違反し、同九八条一項によつて無効であると主張するが、公職選挙法

における選挙運動の意義が所論の如く不明確であるとはいえないし、同一二九条は

この選挙運動を一定の期間においてのみなすことを許し、同二三九条はこれに違反

した者を処罰することを規定しているのであるから、右各法条には罪の構成要件が

規定されていないとかまたは不明確であるとかいうことはできない(昭和三八年(

あ)第九八四号同年一〇月二二日第三小法廷決定、刑集一七巻九号一七五五頁参照)、

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従つて所論違憲の主張は、その前提を欠き、適法な上告理由とならない。

弁護人高橋禎一の上告趣意第二点は事実誤認、同第三点は量刑不当の主張であつ

て、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、同条の上告理由に当らない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四一年四月二一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

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